かくこととはなすこと

昔は「書く」ことで考えがまとまることがよくありました。
最近、書いても新たな枠組みが出てこなくなった気がします。

１００００字とかを普通に書かなくてはいけないようになって
書くことに慣れて、
頭の中で「書く」時と同じような操作ができるようになったのかもしれないし、
書き方がパターン化して新しいものをうまなくなったのかもしれない。

代わりに、人に話すことで考えが固まっていくようになった気がします。
うんうん、って聞いてもらえる時も
反駁したり、説得しようと頑張ったりする時もあるけれど、
目の前に相手がいて、宛名を持って話している感覚がある時に、
考えていたことのポイントが、口から結晶のように出てくることがあります。

普通は書き言葉の方が話し言葉より論理的だとされているのに、ちょっと不思議。
論理をつくるために頼る言語が、書き言葉から話し言葉に退化したのか。
思考を補い支える言葉は思考とは遠い言葉の方がはっきりするので、
思考する言葉が話し言葉から書き言葉に近くなったからなのか。