ものいわぬどうぶつのこと

ぬいぐるみが好き。

部屋には
小さい頃お気に入りだったぬいぐるみも
くたびれながらも並んでるし、
ぬいぐるみ、っていう年じゃない頃に来たぬいぐるみも
たくさん並んでる。

ぬいぐるみはしゃべらない。
でも物理的に
ふかふかしてたり滑らかだったり
という刺激をくれる。
かわいらしいという視覚的刺激も。
それで、心が落ち着くし、元気が出てくる。

ものを言わないからこそ
こちらが遠慮なく語れるし、
自己と自己の対話を援けてくれる。

人形もその点同じだけど、
でもなんでだか、
人形よりもぬいぐるみの方が話しかけやすいの。
人って怖い。

新井素子さんの言葉を借りれば
それぞれの“ぬいせい”（人生）があって
いろいろな背景で私のもとに来てくれた
隣でたくさんの話を聞いてくれた
そんなぬいたちも好きだし、
縁がなくて目を合わせるだけになってしまった
ショーウィンドウに並ぶぬいたちも好き。

“ぬいぐるみ、っていう年じゃない頃”なんて書いたけれど
対象年齢なんてないと思う。
あざらしのぬいぐるみ（動いたり話しかけられると反応したりするロボット）が
高齢者のケアの現場向けに開発されたというニュースもあった。
「大人」だってぬいぐるみと会話したっていいんじゃないだろうか。

今欲しいのは
自分よりも大きなぬいぐるみ。

でも「大人」になると置き場所のこととか考えて現実的になっちゃう。
おいとくだけのぬいぐるみじゃなくて、兼椅子か兼抱き枕がいいな、なんて。
そこが大人の嫌なとこなんだよなぁ。