あめのひのこと

雨の日。

夏の終わり、
秋の気配を感じさせる雨。

しとしと降っているのに、
いつのまにか全てを濡らす雨。

傘を傾けるとそこに
外の世界と遮断された
小さな空間ができて、

傘の陰に隠れて
少しだけ内向的になり、
逆に少し大胆になる。

傘をさすと早足になるのは、
横から降りこむ雨に濡れるとか、
はねっかえりで足元が濡れるとか、
そういうことを気にしているからだけじゃなく、

傘の内側に、
大胆になって、
すたすた歩けるようになった自分が
いるからかもしれない。

だから雨の日はきらいじゃない。